米国の弁護士は日本の弁護士に比べて商売熱心
 日本の弁護士の人数が日本全体で約1万8000人(2001年現在)であるのに対して、米国の弁護士の人数は米国全体で約80万人(何年のデータか不明)にも上るそうです。
 
 また、米国にある法律(Law)関係のホームページを見ると、カリフォルニア州だけでも10万人以上の弁護士がいるようです。
 
 米国の総人口は、日本の総人口の二倍強程度であり、上記の数字から、米国の人口当たりの弁護士の人数は、日本に比べて桁違いに多いと言えると思います。
 
 そのために、米国の弁護士は同業者間の競争が激しく、ぼやぼやしていると他の同業者(弁護士)にお客?(依頼者)を取られてしまうので、日本の弁護士とは比較にならないほど商売熱心だそうです。
 
 米国の職業別電話帳(イエロー・ページ)を見ると、顔写真入りの一面広告を出し、24時間、フリー・ダイヤルで受け付けている法律事務所(弁護士)もざらにあり、テレビCMを流している法律事務所(弁護士)まであるそうです。
 
 また、米国には、事故があると病院に駆けつけたり、救急車の後を追跡して病院に駆けつけたり、病院で待機していたりして、被害者や家族から委任状を取るという積極的な商売?をしている弁護士もいるそうです。
 
 それら商売熱心で、サービス精神旺盛な米国の弁護士は、弁護士が少ないために売り手市場で「殿様商売」をしている日本の弁護士とは大違いだと思います。
 
 
 米国には、民事訴訟の比率が100パーセントの訴訟専門の法律事務所(弁護士)や、業務の多くの割合を民事訴訟が占めている法律事務所(弁護士)が沢山あって、そのような法律事務所(弁護士)が商売熱心に、どんどん訴訟を起こすために、米国では日本とは比較にならないほど多くの民事訴訟が起こされているそうです。
 
 ちなみに、米国にある弁護士専門のサーチエンジン(FindLaw.com)を見ると、米国のさまざまな法律事務所(弁護士)の訴訟比率が分かります。
 
 また、米国には、訴訟費用の全てを法律事務所(弁護士)が負担する代わりに、勝訴した場合には、勝ち取った賠償金の40パーセントから50パーセントを成功報酬として得る成功報酬制弁護士もいるそうです。
 
 そのような成功報酬制弁護士は、民事訴訟を勝訴させない限り「ただ働き」であり、儲けが出ないどころか赤字になるのですから、弁護士としての腕に相当な自信があり、実際に、腕の良い弁護士が多いのではと思います。
 
 過去に、マスコミが報道した知的所有権関係の民事訴訟を題材とした番組で、米国の成功報酬制弁護士が一つの裁判を勝訴させただけで、数千万ドルの成功報酬を得たのを何度か見たことがあり、それにより、米国では、弁護士としての腕さえあれば巨額の金を稼げ、腕次第では相当な富豪になれるのだと思いました。
 
 なお、最近、新聞に掲載されていた、過去に、
米国の現地法人に赴任していたことのある人が寄稿した文に、米国では、弁護士費用が成功報酬制の場合が多く、法曹人口も全体で百万人を超え、弁護士間の競争も激しいために訴訟が多く、赴任していた当時、現地法人では常時百五十件ほどの訴訟を抱えていたそうです。
 
 また、日本の司法試験が、予め定員が決まっている選抜試験であるのに対して、米国の弁護士資格を得る試験は、所定の成績さえ挙げれば資格を得られる資格試験であることから、弁護士資格を得ること自体は容易であり、弁護士資格そのものには価値が少なく、米国の弁護士は、弁護士としての腕が全てだと思います
 
 上記のような事情を考えれば、本件の民事訴訟を引き受けて頂ける弁護士を捜すことは、それほど難しくないと思います。
 
 本件の民事訴訟は、不法行為の卑劣さや重大さから考えて、正義が重んじられている上に陪審制の米国の裁判で無罪になるとはとても思えず、また、懲罰的賠償も含めて莫大な賠償金が予想されると思いますので、腕の良い弁護士であれば「やり甲斐のある民事訴訟」になると思います。
 

 
 
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